ファミリーコンステレーションを受けて【私の体験】祖父の話
ファミリーコンステレーション(家族の座)・システミックコンステレーションで、世代間トラウマや集合無意識トラウマを解消するお手伝いをしている心理セラピスト中田です。
今日の記事は、「ファミリーコンステレーションを受けて【私の体験】祖父の話」です。
ファミリーコンステレーションを受けて
今日は、ファミリーコンステレーションを受けた時の『私の気づきや変化』を書きます。
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私の祖父の話です。
私の父方の祖父は戦争に行って、
生き残って帰ってきた人です。
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もともと祖父は
田舎の山奥の林業をしている家の
一番下の子だったのもあって、
10代後半で家を出て町に降りました。
祖父は本当は農業をやりたかったけど
当時は農業では食べていけず
食べていくために小学校の先生になり、
そこで、戦争に行くことになりました。
祖父は戦場で負傷をしたために
たまたま帰国することになりました。
帰国後、所属していた部隊がほぼ全滅し、
その戦場で沢山の方が亡くなりました。
多くの方が亡くなった中で生き残った祖父は
その後、どんな思いを抱えながら人生を歩んだのでしょうか…。
戦場の過酷な状況の中で共に生きた人たちには
家族と同等かそれ以上の強い絆が生まれるといいます。
戦場の風景も、亡くなった友人や部下のことも
祖父の心からずっと消えることはなかったでしょう。
祖父はしばらくして学校に復職しましたが
戦後の教育方針でもめて学校を辞めて、
その後、林業の会社に転職しました。
そして、その後はずっと
山に木を植え育てる仕事をしました。
祖父は、家の庭にも沢山の植物を植えて育てていました。
私が子どもの頃、庭中が植物だらけでした。
庭で植物に囲まれてるお祖父ちゃんは
一番自然な安心してる笑顔でした…。
私が子どもの頃のお祖父ちゃんの印象は
あまりしゃべらない、とても静かな人でした。
静かに寂しそうに笑う人でした。
大きな声を出すのを聞いたことがありません。
けれど、私はお祖父ちゃんの雰囲気が
なぜか怖くて近寄れなかったのです。
寂しそうな細い後ろ姿と、
いつも遠くの空を見ている雰囲気で
なんかお祖父ちゃんの周りには
人20人分ぐらいの空間があるというか…
そんな雰囲気を感じていました。
何よりも
「遠くの空を見ているぽつんと寂しそうな後ろ姿」
というのが一番濃い印象でした。
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大人になってから
祖父の戦争の話やその後の転職の話を聞いてから、
私はこんなふうに思っていました。
お祖父ちゃんは、
どんな気持ちでずっと木を植えていたのかな…
沢山の命をもう一度大切に育てたかったんかな…
木がすくすくまっすぐ育っていく姿を見守りたかったんかな…
と。
こんなふうにも思っていました。
祖父はずっと、
自分だけ生き残った罪悪感やおわびの気持ちで
沢山の木を植え続けていたのではないかと。
使命感で一生、山に木を植え続け、
ひたすら働き続けていたのではないかと。
私はずっとそんなふうに思っていました。
ある時まで。
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ですが、ある時を境に、
こんなふうにも思うようになりました。
「お祖父ちゃんは、
ただ山が好きだったのかもしれない。
特に後半の方は、
木や山に関わって仕事することが
純粋に楽しくて喜びだったのかもしれない。」と。
祖父は、定年後も林業にたずさわり
最後の方まで、信頼し合った仲間と
地元の林業を整え続けていたそうです。
「それって、もしかしてきっと、
すごい楽しかったんかもな…」
「罪悪感とか使命感とかではなくて
ただ単に喜びだったんかもな。」と
私はある時から思うようになりました。
好きでずっと働き続けていたんなら、
それならとてもほっとします。
お祖父ちゃんがそうやって
楽しい気持ちで生きれたんなら
ほんと良かった…と思います。
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さて、このお話で、いったい何が言いたかったかというと
心の悩み・問題には、
先祖・家系からの影響を受けている場合がある
ということです。
上で書いたお話でいえば、
まず、お祖父ちゃんは、
戦場で亡くなった同僚、部下の代わりに、
何人分もの人生を背負って生きていた
可能性があります。
人は本来、自分の人生を生きることしかできません。
それなのに、他人の分の人生を生きようとすると
それは、とても重荷になり、生きづらい人生になります。
そして、
そんな祖父のもとに生まれた私の父は
祖父の影響を受け、
そして、
そんな父の子どもである私も
祖父や父の影響を受ける
ということが起こるのです。
(*すべてがそうではありませんが。)
影響を受けるとは、
祖父の重荷を手伝おうとする、などです。
もちろん、無意識下でです。
重荷を手伝おうとすると、
似たような性格になったり、
似たような人生を歩んだり、
自分らしく生きられない、
本来自分のものではない悩み・問題に悩まされる
など様々な現象が起こりえます。
ちなみに、
直接会っていないご先祖様の重荷を
手伝うケースもよく見られます。
子どもは、その家に生まれた時に気づくんです。
この家には何か(癒されていないもの)がある、と。
(もちろん、無意識の奥深くでです)
そして、それを手伝いに行くのです。
無意識のうちに。無自覚に。
愛情の深い子ほど、それをやると言われています。
私がお祖父ちゃんの重荷を
どれほど手伝っていたのかは分かりませんが、
確かに私は、お祖父ちゃんと
なんだか少し重なる部分もありました。
例えば、
仕事が大切、人が大切、木や自然が好き
仲間思い、命の大切さを知っているなど
良いところで似ている部分もあるし、
ちょっと良くないレベル(重荷レベル)で
似ていた部分もありました。
例えば、仕事しすぎ、罪悪感、
いつも何かに追われている感覚、
上の立場の人の理不尽には反発する、
他人の気持ちを気にしすぎなど。。
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ですが、ある時から
「お祖父ちゃんは、ただ山や人が好きで
木を植え続けていたのかもしれない」
「人生の後半は、ただ純粋に
仕事が喜びだったのかもしれない。」
と思うようになったというのは
私が
「これまで手伝って背負っていた重荷を下ろせた」からこそ、
出てきた思いなのです。
家系・先祖からの影響を癒すセラピーを受けて、
その頃から、私の上記の問題も軽くなっていったのです。
人は、自分の人生しか生きられません。
他人の分の重荷を下ろすことで
人は本来の自分の人生を
フルに(十分に)生きられるようになります。
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