他人は変えられない。変えられるのは自分のことだけ。｜心理学講座

 

他人は変えられない。変えられるのは自分のことだけ。｜心理学講座

アダルトチルドレン・うつ・対人恐怖症・愛着障害～人間関係専門の心理カウンセリングルーム（神戸・京都・大阪・東京）の心理カウンセラー中田です。

今回のテーマは、”心理学講座｜他人は変えられない。変えられるのは自分のことだけ”です。

 

他人は変えられないという話

心理学ブームの昨今、「他人は変えられない」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。

確かにそのとおりだと思います。

（ただ、別の視点から見ると、そうとも限らない。と私は思いますが・・）

 

確かにそのとおり、と思うのはこういう面でです。

他人の気持ちを、あなたが望むように変えることって、できませんよね。

 

例えば、シンプルな例でいくと、恋愛で。

「私はＡ君のことが好き。だから、Ａ君にも私を同じように好きになってほしい。」

↑これは難しいことですね。Ａ君にはＡ君の好みがあるので。他人の好みを変えることはできません。。

 

例２：他人は変えられないという話

他にも、こんな例も。

旦那さんにタバコをやめてほしい奥さん（Ａさん）がいます。理由は、旦那さんの健康に良くないと思うからです。

Ａさんはことあるごとに、旦那さんに「タバコやめて」と言います。

でも、旦那さんは一向に辞めようとしません。健康診断でも何も異常はないし、家の外で吸っているから、家族には迷惑をかけていないと思っています。

たばこを吸うことのリスクも一応は知っています。でも、自分は大丈夫だと信じています。

つまり、旦那さん本人は、”何も困っていない”　状況なのです。”タバコを辞める動機がない”　のです。そして、タバコはとてもおいしいのです。

この状態で、タバコを辞めてもらうのは、とても難しいですね。

つまり、旦那さんは、奥さんの主張は一応聞いた。タバコの弊害も一応知った。
それでも、自分で「吸い続けることを選択している」ということだからです。「自己責任で、選んでいる、決めている」からです。

 

例３：他人は変えられないという話

例えば、こんな例も。

Ｂ君の親は山奥の古い家に住んでいる。会うたびに「不便だ」と言う。

確かに、もう古い家で崩れそうだし、心配だ。だからＢ君は親に「街中に引っ越したら？」と提案する。

でも、いくらすすめても親は言うことを聞いてくれない。

僕は、親のことを思って、親のことを心配して、何度も何度も言っているのに・・。

このような時、Ｂ君の親は今の状況で困っていないのです。多少困っていても、引っ越すより今のままの方がましだと思っているのです。

街中に住めば便利なことも、新しい家にすれば崩れる心配もないことも、”分かっている”。けれど、それでも、今の状況を”選んで、決めている”のです。

 

このように、”本人がちゃんと知っていて分かっていて、その上で、選んで、決めていること”を、他人が変えようとするのは、とても難しいことです。

 

境界線｜変えられるのは自分のことだけ

相手が、知らないのなら、分かっていないのなら、、まずは教えてあげたらいい。

でも、本人が知ったうえで、分かったうえで、、それでも、それを選んでいるのなら、

こちら側にできることは、もうありません。

 

それ以上のことをしようとする、例えば

相手の考え方を変えようとしたり、相手の選択を変えようとしても、それは難しいです。

”相手の領域に侵入して、相手のことを無理矢理変えようとしている”ことになってしまいます。

 

相手は自分と同じではありません。

尊重すべき一個人です。

相手に自分と同じように考えてもらう、思ってもらう、感じてもらうことはできません。

つまり、相手を変えることはできないのです。

 

こちら側ができることは、

相手の選択を知ったうえで、あとはその状況の中で、自分のできることを選択することです。

その状況の中で、何をどこまでやるのかも、自分の選択です。

 

自分の領域の範囲内のことをやるしかないのです。

 

＊といっても、お互いのコンタクトを続けることや、話し合いや摺り合わせは大事ですよ。いっさい縁を切る　などは最後の手段です。

 

この考え方は、相手と自分の境界線がしっかり引けている状態です。

冷たいように思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、

”相手のことを一人の人間として、ちゃんと尊重している”という意味では

冷たいわけではないと思います。