過剰適応~人に合わせすぎる心理|アダルトチルドレンの人間関係
過剰適応~人に合わせすぎる心理|アダルトチルドレンの人間関係
【自分に自信がない・人間関係が苦手・トラウマ・アダルトチルドレンからの克服~心理カウンセリングルーム】の心理カウンセラー中田です。
今日の記事は ”過剰適応~人に合わせすぎる心理|アダルトチルドレンの人間関係” です。
過剰適応になっていませんか?
「過剰適応」って、どういうことか分かりますか?
場とか相手に過剰に適応しようとする、ということです。
もっと簡単に言うと、場とか相手に合わせすぎる、ということです。
”しようとする”というか、無意識に”そうしてしまう”人もいらっしゃると思います。
自分が過剰適応していることに、自覚がない人もいらっしゃることでしょう。
過去、私自身もそうでした。
過剰適応による弊害
「無意識に、当たり前に、その場や相手に合わせてしまう」という傾向がある人は、一見、人間関係が普通にうまくできる人だと、関わりやすい・付き合いやすい人だと、他人からは見られているかもしれません。
ただ、それは本人が、場とか相手に「合わせているから」です。
ご本人が水面下で、場や相手を沢山観察したり、そして自分の言動を場や相手に合わせて調節したりしているからです。
水面下で、沢山の気を回しているのです。
ただ、これを”意識して”やっているなら、まだましかもしれません。
ですが、”無意識に”こういうことをやっていると、やがて結構大変なことになってしまいます。。
なぜなら、いつもいつも相手に合わせて、自分の心を犠牲にしている、自分の心の声を無視しているからです。
これは人にとって、当たり前に、とても大きなストレスです。
大きなストレスが、無意識のうちに、心の奥に沢山沢山蓄積していってることになります。
そして、過剰適応している人は、いつも無意識に不自然な力が入っているので、緊張しやすく、とても疲れやすいです。実はとてもエネルギーを消耗しています。
過剰適応してしまう理由
過剰適応になってしまうのは、もちろん、ちゃんと理由があります。
理由は、個人個人で異なる面もありますが、だいたい共通する一面もあります。
ここでは、一般的によく見られる理由の一部をあげます。
過剰適応になってしまう理由は、一つは、「相手にあわせないと嫌なことが起きる」と思っているからです。
もう少し正確に言うと、相手にあわせないと嫌なことが起きると、通常レベルよりも強く思い込んでいるとも言えるかもしれません。
強く思い込んでいる、というのは、多くの場合、「無意識に、そう信じている」といった感じです。
けして、ご本人が頑固でこだわりが強くて思い込みが激しくて、、等々、そういう悪い意味ではありません。
無意識に、ですから。つまり、潜在意識に、この観念が入り込んでしまっているということです。
なので、ご本人が悪いということではありません。
つまり、
「相手にあわせないと嫌なことが起きる」という思い込み(観念)ができている原因は、多くの場合は”過去に”そういう出来事があったからです。
その環境に対処し、生き延びようとする時に、このような思い込み(観念)が潜在意識に刻み込まれますから。
過去に”そういう出来事があったという”過去”とは、幼少期である場合も多いです。
*もちろん幼少期だけとは限りません。人によりケースバイケースです。
ただ、相手に合わせないといけないという過剰適応の根本原因になる部分は、幼少期の家庭環境、親子環境にあって、その後の人生で同じような状況、環境が繰り返し起きて、思い込み(観念)が強化されていくことは、多々あります。
アダルトチルドレンにも多い、過剰適応
幼少期の生育環境の中で、子どもらしくいられなかったアダルトチルドレンにも、過剰適応になる人は多いです。
アダルトチルドレンの場合は、幼少期の環境において、そうせざるを得なかったということです。
子どもの頃から、他人の顔色をうかがったり、場の空気を読んで、合わせたりしてきたのです。
子どもの頃、子どもらしく安心して、のんびりわがままに過ごせる状況ではなくて、子どもの頃から”大人の心”で必死に生きてきた人達とも言えるかもしれません。
ちなみに、ひと言で「合わせる」といっても、これは色んなレベルでです。
けして、簡単に分かりやすい「人の話に合わせるのが上手」といったレベルのものだけでなく、もっと細かい色んなレベルで合わせていたりします。
表面上には見えてこないけれど、心の中で合わせて、黙っていたり、誰も気づかないような部分で調節していたり、そういったことも十分、合わせているに入ります。
過剰適応の恐ろしさ
上記にも書きましたが、過剰適応をしていると、やがてとても辛くなっていきます。
ある日突然、「もういい加減にしてください、明日会社辞めます」みたいに、突然感情があふれる、限界を超える、のように出てくる場合も多いです。
だいぶん限界に近いところまで来てから、「もう誰にも会いたくない」「もう二度と~~したくない」等になってしまう場合もあり得ます。
または、ある日を境に、ゆううつ症状として出てきて、「もう何もしたくない…できない…」となってしまうなども、あります。
過剰適応は多くの場合、無意識にやっているし、しかもその過剰適応を長年ずっとやっている場合が多いので、その貯まったストレス量は相当なものです、実は。
ほんと、気をつけなくてはなりません。
過剰適応に気づいて、抜け出していこう
対策として、まずできることは、
「自分は人に合わせすぎていないだろうか?」
と自分に問いかけてみること。自分を客観的に振り返ってみることです。
そして、合わせすぎていると気づいたら、それをできる範囲で辞めてみることです。
沢山会わせてきた人達は、最初は「嫌だというセンサー」の感度がかなりにぶっている可能性が高いです。
なので、この自分の感情のセンサーを磨いていくこともとても大切です。
自分一人ではどういう感じなのか、どうしたらいいのか等、なかなかつかめない場合も多いと思います。
その場合は、最初は専門家の力を借りて、一緒に取り組んで感覚をつかんでいくと分かりやすいと思います。