カサンドラ症候群|発達障害の夫に悩まされる妻

カサンドラ症候群|発達障害の夫に悩まされる妻

自分に自信がない・人間関係が苦手・トラウマ・アダルトチルドレンからの克服~心理カウンセリングルーム(オンライン/大阪)の心理カウンセラー中田です。

今日の記事は ”カサンドラ症候群|発達障害の夫に悩まされる妻” です。

 

カサンドラ症候群とは

ここ数年で聞くようになった 「カサンドラ症候群」という言葉。

発達障害(神経発達症)の傾向を持つ夫との生活に疲れて、うつ気味になったり、心が疲弊してとてもしんどくなっている妻 といった構図が一般的にはよく見られるようです。

*夫婦逆の場合もあります。親子の場合もあるし、職場の上司・部下などの場合もあります。

 

もう少し具体的には、ここでは夫婦の例でいうと

夫が発達障害(神経発達症)傾向の場合、その特徴によってこだわりが強かったり、他人の言葉がなかなか頭に入らなかったり、何度伝えても伝わらないということがあったり、

建設的な話し合いができなかったり、コミュニケーションのすれ違いがとても多かったり…。感情のやり取り・共感が少なく、分かってもらえる感じが少なかったり…。
なかにはモラハラ、パワハラになる人も居たり、依存症になる人もいたり…。

パートナーがこのような状態ですと、発達障害傾向のない(少ない)方にとっては、とてもストレスになりますね。ここでは妻側が、いつも合わせる側、調節する側、我慢して色々やる側になってしまっているかもしれません。。

パートナーとの言葉のやり取りが成立しない、何度言っても伝わらないなどによるストレスはとても大きいですよね。
やって欲しいことを何度言ってもやってくれない。辞めて欲しいことを何度言っても辞めてくれない。
一緒に暮らしているのに、歩み寄りもない協力もない。そして、気持ちも分かってもらえない…ということですから。。

とてもしんどい毎日だと思います。子育て中ならなおさら大変になりますね。

そうして、妻側が我慢しすぎたり頑張りすぎて、実はとてもストレスを溜めている状態、さらに疲弊してうつ状態にまでなっている状態も含めて、カサンドラ症候群といいます。

 

発達障害(神経発達症)について補足

ちなみに、発達障害(神経発達症)は脳(脳神経の成長)のバランスによるもので、スペクトラム(グラデーション)でありゼロ百ではないので、グレーゾーンも含めたら「発達障害傾向」な人の存在はそんなに珍しいことでは全くありません。どんな人でも皆それぞれに”ある点においては””何かしらの要素を”持っているとも言えます。強弱は人それぞれで異なりますが。

そして、発達障害(神経発達症)そのものは悪者ではありません。”人として全部”がダメな人・劣っている人ということではなくて、得意不得意(脳機能の凸凹)の差が大きめだと言ったらいいでしょうか。なので、ある特定の優れた面は人並み以上に優れていたりもするのです。

 

カサンドラ症候群のあなたへ

とはいえ、パートナー(ここでは夫)が上記のような状態なら、妻側は本当に心が疲れると思います。これまで本当に沢山の労力を使ったり心を裂いてきましたよね。

今の状況が早く改善されて、心の負担が減るといいのですが…。

もちろん、夫側が自分の状態を知り理解して「自分自身で意識して気をつける」ができればとてもいいのですが、それができれば、妻側はカサンドラ症候群になるぐらいまで悩んではいないかもしれませんね。夫には、そのような話さえ伝わらない状況なのかもしれません。。

 

カサンドラ症候群から抜け出すためには、夫の状態、夫とご自身の状態(関係)を客観的によく”知る””理解する”ということももちろんとても重要ですし、

さらには、あなた自身のことをもう一度ちゃんと知っていくこと、自己理解を深めることもとても重要になってきます。

 

カサンドラ症候群になる人の傾向

カサンドラ症候群になるまで頑張るような人は、もしかして以下のような傾向が強めなのかもしれません。あなたはどうでしょうか?

「自分の伝え方が悪いのでは?」とか「自分がもっと頑張ればなんとかなる」など、自責感が強く、我慢強く、自分がなんとか頑張れば、夫との関係も良くなるだろうなどと考えがちな傾向や、

または、こんな夫でも「私がなんとかして、夫を変えてあげたい」「いい妻でありたい」といった気持ちや、

または、「理想の夫婦像」「夫婦とは困難がつきもの」「どんな困難も乗り越えていくべき」「自分の親もそうしていた」等々のしんどくさせるような思い込みがある場合もあるかもしれません。

 

そうでなければ、そのような大変な状況でもなんとかしようとし続けたり、それで疲弊して、うつになるぐらいまで頑張り続けないでしょう。。普通の人は、そこまで頑張れないのかもしれません。。

 

「もしかして私、カサンドラ症候群かも」と思ったら

なので、もしもあなたが「もしかして私、カサンドラ症候群かも」と思ったなら、まずそうやって自分の状況に気づけることは、とてもとても重要な第一歩です。

自分がどういう状況に居るのか、自分がどんなに頑張っていたのか、そして自分は悪くないという所を客観的に見て気づくことは大切なことです。

それから、自分自身のことももっと深く知っていくこともとても大切です。ここでもやはり自己理解は重要です。

自分自身の心の傾向や思い込みなどもあるのなら、それに気づいていくことです。

 

そうしないと、この先もあなたの人生、根本的にはずっと変わらないかもしれません。場所を変え、相手を変え、表面的な現象を変え、ずっと同じことが繰り返されていくかもしれません。これは心のメカニズムなので。

つまり、仮にもしも今のパートナーと別れたとしても、また次も同じような人と出会って一緒になるという現象が繰り返されてしまうかもしれないのです。

 

カサンドラ症候群の妻は、そもそもなぜ・・・

そもそもなぜ、そのパートナーを選んだのでしょうか。

見た目や何かのスペックが良かったから?社会的地位が良かったから?

または、逆にその相手の方が楽に感じたから?いろんな意味で。

ここは人それぞれに様々な理由があります。

 

そして、様々なひずみが生じて、現状に客観的に気づいてきた今、なぜそこまで自分を犠牲にして、相手に合わせ続けているのでしょう。ゆずり続けているのでしょうか?

 

自己理解が進んで行くと、今後、パートナーととどのように関わっていくのか、自分の人生をどのような選択をしていけばいいのか等々が、少しずつ冷静に見えてくるかもしれません。

何よりもまずは”自分のこと”を大切にしてあげられるようになっていけるといいですね。かけがえのない、あなたの人生ですから。

あなたの人生の何をどれぐらい大切にするのかは、あなたが決めることができます。